台風被害から考えるライフセーバーとしてできること

自分の活動するビーチが甚大な台風被害を受けた

 

自然の力を前にして、人間はとても無力だ。

台風12号の本州直撃を受け、改めてそう感じることができた。

約1週間前の7月28日、夜。台風12号が関東を直撃(ちょっと下を通過?)したのだ。

被害を受ける前のいつもの湯河原海水浴場

 

その日僕はいつものように神奈川県・湯河原海水浴場の警備本部にいて、

17時の監視活動終了を見届けていた。

「台風のサイズにしては、波も風もそんなに上がらないなー。」

「みんな大げさに予想しすぎてるだけだったんだろうなー。」

なんて思いながら、18時前まで軽く海に入って波乗りをし、海をあとにした。

 

自宅に帰る途中風はかなり強くなってきたが、あれくらいの波の上がり方なら大丈夫だろう、

と思いながら自宅に帰り、明日に備えての準備をしていた。

するとクラブメンバーから「海の家や警備本部が全壊した」との連絡を受けた。

 

その時すでに外の雨風はすごいことになっており、僕の自宅から湯河原までの道路も全て通行不可となっていた。

僕が帰宅してからものの1時間の間に水位が(おそらく)1mくらい上がり、

海水浴場を全て飲み込むほどの高潮が押し寄せたようだ。

あとからニュースで見ると、救助にあたっていた救急車やパトカーも波に巻き込まれていた。

12年間湯河原の海と関わってきたが、こんな経験は初めてだった。

ビーチを全て飲み込み、壁にまで到達する波

 

なすすべもなく、台風が通り過ぎて天候が落ち着くのを待つしかない状態。

自然の力を楽観視し、何もできなくなった自分を恥じた。

翌日落ち着いてから海を見に行くと、今まで当たり前だと思っていた海の風景は何もなく、

津波が通り過ぎた被災地のような(表現が悪かったらすみません)酷さだった。

何もかもめちゃくちゃ。今までの風景は跡形もなかった。

 

自分に何ができるのか

とにかく今は、流されてきたゴミ・流されてしまった資材を広い集めることしかできない。

ライフセーバーだから何ができるとかは無いのだ。

自然の偉大な力の前には、ライフセーバーとか科学の力とかはほぼ無に等しい。

 

自然には絶対に逆らわず、立ち向かわず、受け入れること。

自然がちょっと機嫌を損ねた時は、とにかく逃げること。

そして僕にできるのは、それをできるだけ多くの人に伝えること。

 

ライフセービング12年目にして一番の被害を受け、改めて学んだ自然との付き合い方なのでした。

 

 

この記事を見た人が、少しでもライフセービングについて理解を深めてもらえたら幸いです!
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