全豪選手権で見えた、ライフセービングスポーツの2大競技。

2019年の全豪選手権が終わった。

全豪選手権、全てのスケジュールを終え大会が終了した。

総合優勝を果たしたのが、僕がお世話になっていた【North Cliffe Surf Life Saving Club(ノースクリフ サーフライフセービングクラブ)】。

トレーニングは一緒にさせてもらっていたけど、今年はチームの一員では無かったのでなんだか他人事のようで少し寂しかったが、、、16年連続で優勝とのことで、改めてこのクラブのことを誇らしく感じた。

来年こそはこのチームの一員として大会に出場し、チームの総合得点に貢献したいし喜びを分かち合いたい。

観戦者となって感じた、このスポーツの2大競技。

この2日前に僕の出場するレースは全て終わってしまい、残りのレースの観戦や、出場する日本人の仲間のサポートに徹していた。

競技者ではなく一般目線で大会を観てみた時に感じたことがある。

ライフセービングスポーツはどの種目も人命救助の現場を想定した競技となっているし、どの種目で出場している選手も本当にライフセーバーとして・アスリートとして素晴らしい。

ライフセービングスポーツのトップ選手は、オリンピックスポーツの選手にも引けを取らない身体スペックも持っており、スポーツとしてのレベルもとても高いと感じた。

しかしその中でも特に、

■ビーチフラッグス

■アイアンマン(日本ではオーシャンマン)

の2競技だけは、数ある競技のなかでも特別な演出をされており、優勝者には特別な賞賛が与えられていると感じた。

むしろ、意図的にそのように位置付けられているようだった。

特にビーチフラッグスは、日本でもはよく知られている種目

 

ビーチフラッグス決勝はビーチをライトアップし観客席も増設して行われ、

アイアンマン(とそのリレー)も、大会最終日の最後の種目として特別なコースレイアウトやゴールゲートを設定し、選手の入場も一人一人コールされながら行われた。

観客もひときわ多く、嫌でも「特別感」を感じる2種目であった。

これらの種目の優勝者は翌日の新聞に大きく特集されるし、大会のMVPも大体はこの種目の優勝者が選ばれている。

これが、オーストラリアのライフセービングスポーツがメジャーな理由のひとつ?

どのスポーツでも一般観戦者としてスポーツを観戦するとき、そのスポーツ自体が好きで、どんな選手でもどんなチームでも観戦する、という人は比較的少ないのではないかと思う。多くの人は、応援しているチームや好きな選手を観戦しに行くだろう。

こちらのライフセービングスポーツも同様で、そういった特別な種目や演出を意図的に作ってファンを創出しているような気がした。

この2種目は最も盛り上がるクライマックス種目としての立ち位置にあり、明らかに観客が多い。

ライフセービング関係者以外の観客をいかに呼び込み、スポーツの面白さや価値を高めるためにそうなっていったのだと思う。

■視覚的に最も盛り上がりやすく、一般的にもすでに認知が進んでいるビーチフラッグス

■全ての種目を一人でこなす、「King of ライフセーバー」を決めるアイアンマン

競技の特徴からも見えるように、やはりこの2つはライフセービング種目の中でも特別だ。

もちろん、意図的ではなく必然的にそうなっていったのかもしれないが。

必然であったのならより、この種目に対する世間の需要を強く感じることができる。

日本もこうなっていってほしい!

日本を否定しているわけじゃないのは、最初に記述しておく(笑)。あくまで僕の想う理想像だ。

日本ではボードレスキューやレスキューチューブレスキューなど、いわゆるレスキュー種目が前面に出やすいと感じるが、それはこの種目らにライフセービング(人命救助)の精神が感じられるからだろう。

たしかに救助に直結する能力を競う種目であるし、この競技で成績を残すことはとても素晴らしい。

僕自身、1人のライフセーバーとしてこの種目は救助の技術を争う重要な種目だと思う。

大会のリーフレットも、レスキュー種目が採用されがち。

 

でも一般観戦客(ファン)を増やすには、そのスポーツの精神よりは、チーム・選手・レースの見栄えをどう演出するかが重要だと思う。

日本でもっとライフセービングスポーツをメジャーにするには、オーシャンマンを得意としている僕の立場からすると、日本でもオーシャンマンの価値をもっと高めていきたい。

オーシャンマンで結果を出すには時間と労力が一番必要であるし、オーシャンマンの強い選手が結局、スイムもボードもサーフスキーのスキルが高く、ライフセーバーとしての総合的な体力も高い。もっとカッコよく、特別に取り上げられたいし、賞賛されるべきだと思う。

そうなるためにも、オーシャンマン種目で前線で戦っている僕が競技的にも人間的にも賞賛されるべき人間にならなければと思うし、それが既に評価されている海外で結果を出すことが必要だと考えている。

今回の大会で感じたことを達成するために、まだまだ頑張っていきたい!

ライフセーバー
西山俊
この記事を見た人が、少しでもライフセービングについて理解を深めてもらえたら幸いです!
↓のSNSでも、ほぼ毎日僕の活動を更新しています。ぜひフォローをお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です