シャノン選手の引退レースを観て、自分のなりたい姿が決まった。

僕の憧れShannon Eckstein

オーストラリア・ライフセービング界のレジェンド、Shannon Eckstein(シャノン・エクステイン)選手がプロとしてのフルタイムアスリートを引退した。

1度でも勝つことができたら歴史に名を刻まれる全豪選手権で8回優勝。

2年に一度行われる世界選手権で6回の優勝など、100年以上続くライフセービングスポーツの歴史の中で最も素晴らしい経歴を持つ選手。

他の選手とは目に見えて海でのスキルが高く、どんなコンディションでも絶対にミスをしない。もうとにかく、誰に言わせても彼は”レジェンド”だった。

僕はライフセービングスポーツにはまってからシャノンが大好きで、憧れて、追いかけ続けていた。

左から2014年・2012年・2010年

 

彼が所属するNorth Cliffe(ノースクリフ)のチームに来たのも、一緒にトレーニングをしてその速さの理由を学びたかったから。

オーストラリアに滞在中は彼の出場するNutrigrain Ironman Seriesというシリーズ戦のレースは全て生で観戦しに行き、

彼の出場しているレースでYoutubeにアップされている動画は全て保存。今でも毎日食い入るように観ている。いまだに、まるでプロ野球選手に憧れる野球少年のような気持ちだ。

以前はサーフスキーもパドルボードも彼の昔のものを買わせてもらって使っていたり、とにかく追いかけ回して、誰よりもシャノンに憧れてきた自信がある。オーストラリアでの僕のあだ名がシャノンを文字って「シュノン」だったこともある(笑)

そんな彼が今年の中ほどに今シーズンでの引退を宣言した。

徐々に出場するレースも少なくなって来たし、ここ数年はクラブのコーチやその他のビジネスも手がけているそうだったから、意外にも寂しいという想いは多くなく、いよいよその時が来たなーという感じだった。

 

彼のプロとしてのラストレース

今回の全豪選手権が、彼のプロとしての最後のレースだった。

公式の大会では普通絶対にやらないのだが、大会主催者らの計らいで彼の最後のアイアンマンレースの入場時、出場選手全員で彼のはなむけをしていた。

そんな彼のラストレース時、海はかなり荒れていた。沖のブイ(300mほど沖)でも波が崩れているようなトリッキーなコンディションで、「これ、ラストレースでシャノン優勝しちゃうんじゃない?」という雰囲気だった。

多くの選手がサーフスキーを流してしまい、期待されていた選手が順位を大きく下げている中、シャノンは全くミスをせず最後のスイムで浜に戻ってくるときにはレースをリードしていた。

しかし最後の最後で他の選手が同じ波に乗ってしまい、ゴールぎわで走り負けてしまい2位でフィニッシュ。

優勝して引退、のようなドラマチックな引退劇ではなかったけど、 今まで見た彼のレースの中で一番感情的に、食い入ってしまったレースだった。

これまでも今後も、僕のなかで彼ほど気持ちの入る選手は現れないと思う。こんなに夢を見させてくれた選手は他にいない。

僕もこんな選手になりたい。

ありがたい事に、今はプロとしてやれる環境があり目標や夢もしっかりしたものがあるので、出来る限りは続けていくつもりだ。

それでもいつかは、僕にも競技の一戦からは退く時がくる。そして選手の価値や生き様が最も現れるのはその時なのだと思う。

僕も誰かを感動させるような、退く事を惜しまれるような選手になるために、今何を残していくか。

競技結果以上に、僕の競技人生に重要な事だと思って毎日を過ごしていきたい。

シャノン本当にお疲れ様でした!

ライフセーバー
西山俊

 

この記事を見た人が、少しでもライフセービングについて理解を深めてもらえたら幸いです!
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